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スクリーン2010※21

だからヤクザごっこだっちゅうの

 札幌ファクトリーのユナイテッドシネマでビートたけし監督・主演の「アウトレイジ」を観る。要するに新旧俳優陣によるヤクザごっこ。新味はないけど、面白いことは面白いよ。そこが評価に困るけどさ。

 <あらすじ・解説=goo映画などより>関東一円に勢力を張る巨大暴力団組織・山王会組長の関内のもとに、一門の幹部が集結していた。席上、関内は若頭の加藤に、直参である池元組の組長・池元と直系ではない村瀬組との蜜月関係について苦言を呈す。そして、加藤から村瀬組を締め付けるよう命令された池元は、配下の大友組組長・大友に仕事を任せる。こうして壮絶な権力闘争が幕を開けた…。

 ヤクザの世界で男たちが繰り広げる、裏切りや駆け引きなど壮絶な権力闘争を描いた本格バイオレンス・アクションだ。自分の欲望を満たすためには、手段を選ばず、兄弟分すら叩き潰す。登場人物すべてが悪人というこの異色のドラマは、これまでのキタノ映画の特徴でもある静謐さをかなぐり捨て、膨大なセリフの量と凄まじい怒号が飛び交う異色作となった。タイトルの意味は「極悪非道」。主演のビートたけしのほか、三浦友和、椎名桔平、加瀬亮ら北野作品に初めて出演する豪華俳優陣が、最高のキレ演技を見せているのにも注目したい。

 <能書き=文責・双子山>タランティーノ同様に、やんちゃなたけちゃんは、暴力を突き詰めていったらどうなるかな~という関心から、映像を作り出そうとしているのでしょう。どこか、突き抜けてしまって、ユーモアさえ漂うバイオレンス映画である。

 まあ、「登場人物全員が悪人」なんてコンセプトは、別に珍しくもなんともないのであってさ。そこが主眼でもないような気がするがね。私たちはすでに「仁義なき戦い」という大きなゴールがある。やくざ映画はいくらやっても、そのエピゴーネンにしかならない。しかし、たけしはそれを意識してやっているわけで、それはすごい頑張りなのかな。

 「仁義」のころは「仁義」が「ない」ことを自覚し、そのことへの後ろめたさのようなものもあったのだ。しかし、この映画に横溢しているのは乾いた暴力だけであり、精神の動きはない。実に即物的なのだ。

 菜箸を耳に突っ込み、錆びたカッターで指を詰める。こんなもの、描写はすべてパロディーじゃないか。本当の暴力性って違うだろ?  でも、さすがたけちゃん、その辺は分かっていると思うよ。この映画の本当の凄さはそこから始まると思う。

⇒☆☆☆☆。 私は発想的には陳腐で、バカにするけど、なかなかに凄い映画であると評価する。意外と、好きなんだよ。

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