らくごん2010①
いいねえ、志らく。粋だし!
教育文化会館にて、立川志らく独演会だ。よかった! なかなかよろしいと、噂には聞いていたのだが、高座を聞く機会に恵まれなかった。今回、初の札幌独演会だという。かけたのは「鉄拐」「中村仲蔵」。前座のらく兵が「道具屋」だ。、
結構、かかるのが珍しい噺ではないか、「鉄拐」。私は聞いたのは初めてだ。立川談志が得意らしい。きわめてビジュアルに演じているのが面白かった。そう、落語とは視覚にも訴えるものなのだ。志らくの場合、映画や舞台などの経験から、落語をビジュアルなものとして再構築する癖がついているのだろうなあ。
「仲蔵」は凄かった。こういうかたちの噺は初めて聞いた。仲蔵の人間造型をここまで細かくやるとはなあ。だから、理屈っぽいとか、理が勝りすぎるとか言われてしまうかもしれないのだが、ここまで造りこめば大したもんだ。それが芸というものだ。単に忠臣蔵の五段目、斧定九郎の造型で悩み始めるのではなく、演技論としてずっと、悩み続ける仲蔵の造型は新鮮であり、志らく流の芸論として屹立している。
うまいよ。立川流は違うね。これからの落語会を背負うのは確実に、立川流じゃないか。志のさんに、談春、そして志らく。談春と志らくはほぼ同世代で、たぶん互いにライバル視しているのだろうけど、切磋琢磨してほしいものだ。志らくは江戸っ子としての意識がすごく突出しているのだろうがな。「ひ」と「し」の区別がわざとらしいほどできていなかったもの。でも、そんなところで江戸っ子を誇示する必要はないン。噺で勝負すればいいのさね。
札幌独演会を定例化してほしい。客は呼べるよ。昔、志のさんに聞いたのだが、札幌の客は半可通、通ぶった奴がいなくて、やりやすいとか。反応もストレートだし。それはほめ言葉だよ。ストレートに笑えばいいのだから。札幌市民はそいう評価を喜ぶべきだよ。
だから落語家のみなさん、北海道へいらっしゃい!!
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