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スクリーン2010⑯

それでも生きていかなくてはならない

 スガイ・シネプレックスにて「プレシャス」をみる。貧しい黒人少女が、これでもかという不幸のてんこ盛りに見舞われながらも、新しい人生の道を切り開いていくお話だ。

<あらすじ・解説=goo映画などより>ニューヨーク・ハーレムに暮らす16歳の黒人少女プレシャスは、2人目の子どもを妊娠していた。父親に性的虐待されてできた子どもだ。妊娠により、中学校をやめさせられるプレシャスは代替学校に通い始める。そこで熱心なレイン先生と出会い、文字が読めるようになり、自分の感情を文字で人に伝える方法を知る。そして、劣悪な環境から抜け出そうと戦い始める。

 リー・ダニエルズの初監督作品。家族からの虐待に苦しむ黒人少女が、文字を知ることにより自我を確立し、自身の可能性を大きく広げて行く物語だ。彼女を襲う目を覆いたくなるようなむごい現実。しかし、彼女は自分をしっかりと持ち、周囲の人々に支えられながら生き抜くる。自身も虐待を受けていたという監督がプレシャスに託した希望が、強いメッセージと共に伝わって来る作品だ。プレシャスを虐待する母親を演じたモニーク(アカデミー助演女優賞)が、物語終盤に見せる独白もまた、すさまじいものがある。

<能書き=文責・双子山>さすがR15指定だけあって、フォー・レター・ワーズが頻出するセリフ。ハーレムの絶対的な貧しさと荒廃ぶりが伝わってくる。しかし、苦しみながらも、現実に押しつぶされることなく、生き抜くことを選択するヒロインのある種いたいけな姿は感動的だ。いかに現実が厳しくても、生きていかなくてはならない。死んではならない。それが人生だ。

 悲惨さを突き抜けると、すがすがしさにまで至る。

 母親の無責任ぶり、父親の鬼畜ぶり。家庭は崩壊している。未来を築いていく基盤になるのは個人の意志と、教育の力しかない。絶望的にダメだった少女が、書くことによって再生していく、ビルドゥングス・ロマンなのである。終盤、観客は劇的なまでにたくましくなった少女に熱い応援を惜しまなくなっている。

⇒☆☆☆☆。この手の映画には弱いです。

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