スクリーン2010⑮
音楽の力を感じる
スガイ・シネプレックスにて、「オーケストラ!」を観る。全編に音楽への愛が流れる映画である。
<あらすじ・解説=goo映画などより>かつて、ボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレ・フィリポフだが、今は清掃係である。ある日、パリのシャトレ劇場から主演できなくなった楽団の代わりにの出演依頼ファックスが届く。このファックスを目にしたアンドレは、クビになったかっての楽団員を集めて偽のオーケストラを結成、パリに乗り込もうという計画を立てる・・・。
監督・脚本はラデュ・ミヘイレアニュ。主役はポーランド生まれのアレクセイ・グシュコフ。「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロランがバイオリニストを演じる。昔懐かしいフランス女優ミウ・ミウの顔も見える。
<能書き=文責・双子山>「そんなことあるかいぃ!」と突っ込みを入れたくなるほどのご都合主義的なあらすじで、それは演出の粗さもこれありなのだが、それはそれとして、音楽の力を訴えるメッセージが伝わってくる作品である。チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲第1番」が非常に効果的に使われている。
音楽=人間性の対局に、スターリン主義=非人間性を対峙している構造がある。それはあまりに、図式的でもあるのだが、ロシア人にとっては現実でもあったのだろう。回想の中の、1980年前後の硬直したブレジネフ・ネオ・スターリン体制がリアルである。
メラニー・ロランが美しい。「イングロ」のときとは全く別な顔を見せてくれる。さすがに、女優である。
ひとつ疑問。フランス映画なのに、ロシア語がふんだんに登場。字幕も出てなかったが、フランス人はロシア語がわかるのか?
→☆☆☆★。ハートウォーミング・クラシック・ミュージック・シネマ。
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