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スクリーン2010⑨

戦場の実感。壊れ行く若者たち

 ユナイテッド・シネマ札幌(札幌市中央区北1条東4丁目、サッポロファクトリー内)にて、今年のアカデミー賞受賞作「ハート・ロッカー」を見る。受賞に値する、迫力を備えた傑作である。

<解説=goo映画などより>2004年のイラク・バグダッド。駐留米軍のブラボー中隊・爆弾処理班の作業中に爆発が起き、班長が爆死する。後任に来たのが、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹。彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。部下のサンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵は彼に反発するが・・・。

 今年の第82回アカデミー賞で最多9部門にノミネートされた。キャスリン・ビグロー監督が描いたのは、イラク戦争に爆弾処理のエキスパートとして従軍し死と間近で対面している兵士たちの葛藤のドラマだ。戦争特派員クリス・ヘッジの著作「戦争の甘い誘惑」からインスピレーションを得た監督は、戦争に魅力を感じ麻薬のようにのめり込む兵士の姿を、不安定に動き回る手持ちカメラを使い、リアルな映像で描きだした。脚本家マーク・ボールが実際に何週間もイラクで爆発物処理班と行動を共にしたというだけあって、主要登場人物3人の行動からは緊迫感、高揚感、虚無感など、兵士たちの心の動きが見事に伝わってくる。

<能書き=文責・双子山>女流監督とは思えない、硬派な演出に感心した。ざらついた、ドキュメンタリータッチの映像も独特で、巻頭から、自らが戦場にいるかのような臨場感に襲われる。「爆弾処理」という特殊な状況の緊迫感が、ひしひしと、伝わってくるのだ。それだけで、この映画は成功している。

 さらに戦場の実態を、これでもかと言うほどに見せつけていく力業。人間爆弾の卑劣さと残虐さ、戦場にしか自らの置き場がない若者の哀しみなど、多様なエピソードから人間の愚行をあぶり出していく。

 人があっという間に死んでいく実態。イラクをそのような空間にしてしまったことへの反省。若者が極限的な緊張と背中合わせの死を余儀なくさせられる現実。何とも、暗澹たる気持ちにさせられる映画なのだが、その感覚は「嫌な」ものではないのだ。そこが不思議な映画である。感心した。

→☆☆☆☆。「女流監督」は差別用語か?

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