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読む快楽2010①

この作者にしては食い足りない

 絲山秋子「エスケイプ/アブセント」を読む。

エスケイプ/アブセント (新潮文庫) Book エスケイプ/アブセント (新潮文庫)

著者:絲山 秋子
販売元:新潮社
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 40歳になった左翼運動活動家の挫折を描いている小説なのだが、悲壮感ゼロ。そこが作者の狙ったところなのだろうが、正直、何を書きたいのだかよくわからない。

 この作者のあふれ出る才能は注目されるところで、私も期待するところは大きいのだが、肩の力を抜きすぎたというか、もしくは、書いているうちに袋小路に入ってしまったというか、どうにも、抜け切れていない作品なのだ。2006年の作品だというのだが、新境地を切り開こうとしたのだろうか。

 これまでの守備範囲、女性作家ゆえの女性的世界観の構築ができないから、この手の小説はつらい。才能が別の方向に向いてしまった感じがする。残念だが、食い足りない。

⇒☆☆☆(最高点は5つ星)。まだまだ、ですね。

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