本を読む日々2009※43
異様な迫力をもった新人
これはどんなジャンルの小説といってよいのか。樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」を読む。
さらば雑司ヶ谷 著者:樋口 毅宏 |
主人公は東京・池袋近くの雑司ヶ谷出身の青年。ある理由で中国にわたり、苦難の果てに帰国、郷土に戻ってきた。しかし、帰還を快く思わない勢力が彼をつけ狙う。
キャッチコピーに「不夜城」+「私が殺した少女」そして漱石著「こころ」とある。ぶっ飛んだストーリー展開に読むほうもぶっ飛ぶ。著者は1971年生まれの元編集者。これが処女作だという。
陰惨な物語ながら語り口がとぼけているので、おかしなユーモアというかオフ・ビートな雰囲気を出すことに成功している。これがこの作者の狙ってやっていることなのか、天然なのかはわからないが。「俺はハードボイルドだっ!」と肩肘張らない姿勢は好感が持てる。
しかしまあ、ホントに人がコロコロ死ぬバイオレンスぷり。読む人を選んでしまう。続編を執筆中というから、評価はそちらを読んでからか? 異様な迫力を持っていることは確かだけど。
⇒☆☆☆★
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