イーストウッド研究⑬
抜群のドライブ感。疾走するCE
「ガントレット」、やはり傑作だ。1977年作品。クリント・イーストウッド(CE)監督・主演である。CE、やはり、はみ出し刑事がよく似合う。
ガントレット [DVD] 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ |
<あらすじ>フェニックス市警の刑事ベン・ショックリーは、ある裁判の証人としてラスベガスから娼婦を護送するように命じられる。しかし、彼女は市警の上層部とマフィアとの癒着を証明する人物だった。護送途中にふたりを抹殺するちうのが、本来の狙いだったのだ。襲撃をかわしながら逃げるふたり。最後は乗っ取ったバスを鉄板で補強して、フェニックスの中心まで殴り込む。このバスに撃ち込まれる何万発もの銃弾がすさまじくも、美しい。
「ガントレット」とは鞭を持った人々を2列に並ばせ、その間を罪人に走らせる刑罰だそうだ。武装警官が並ぶ中、のろのろ走るバスはまさしく、処刑のアナロジーである。
娼婦役のソンドラ・ロックがたくましく、微笑ましい。アル中気味のCEに、置かれた危機的立場に気づかせ、叱咤激励しながら、時には逃避行の主導権さえ握る。この作品のあと、ふたりは愛人関係になったとされている。
とにもかくにも、自動車、オートバイ、列車、そして最後のバスにいたるまで、「逃げる」ことを徹底的にドライブ感たっぷりに描き、疾走した画面を演出しているCE。
しかしこの映画、大好きなもので、ビデオでも何回も見たのに、細部は忘れていたな。でも、オートバイグループに対するCEのやり口は明らかな権力犯罪である。
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