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音楽を語る2009③

忘れられたロック

 いつの間にか聞かなくなってしまった音楽って、あるよな。そのうち、時代そのものに取り残されてしまったような、忘れられた音楽って、あるよな。

 私の場合、そんな音楽の一つにクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下CCR)がある。

 非常にわかりやすい、シンプルなロックだった。サザン・ロックというのだろうか、泥臭いテイストが身上だった。「雨を見たかい」「プラウド・メアリー」「スイート・ヒッチハイカー」「サムディ・ネバー・カムズ」・・・。タイトルを言えばだれでも覚えているのではないか。

 しかし、聞かないよなあ、最近。もっとも、所有しているレコード(!)は「雨を見たかい」のシングルと、1984年ごろに静内のおまわりさんからもらったベストLP。シングルは確か、中学1年のころに買ったんだ。

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 最近読んだ音楽評論家の山中康樹の本の中で、CCRの中心人物だったジョン・フォガティに触れているコラムがあった。読んでいるうちにまた、あのサウンドを聞きたくなって、フォガティの最近のソロ・ライブCDと、CCRのベストCDを買ってしまった。いやあ、グッドだ。何より、シンプルで、素晴らしい。

 フォガティはバンド内ではまったくの独裁者で、メンバーの誰も信用しなかったとか。兄のトム・フォガティさえも。だからバンドは数年しかもたなかった。

 しかし、音楽は残る。なぜ、聞かなくなってしまったのだろうな。もう、思い起こすことさえできない記憶の中から、ジョン・フォガティの切ないボーカルが響いてくる。

 「いつか、わかる日が来るさ」と父は言ってた
 でも、そんな日は決して来ないんだ

                       (「サムディ・ネバー・カムズ」より)

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