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本を読む日々2009⑮

示唆に富むことは間違いない

 1月からこつこつと、通勤のバスと地下鉄の中だけで司馬遼太郎の「この国かたち」を読み続けてきた。ようやく全6巻を読み終えた。

この国のかたち〈6〉 (文春文庫) Book この国のかたち〈6〉 (文春文庫)

著者:司馬 遼太郎
販売元:文藝春秋
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 さまざまな「ネタ」ふりから日本の過去と現在を照射する手法は本当にみごとで、実に示唆に富む。博覧強記であるだけではない。実際に軍隊に行って、この国の醜さを肌で知ってしまった大正人ならではの迫力が、そして怨念がそこにはこもっているような気がする。

 よく佐高信あたりが、「司馬は権力者しか描かなかった。しかし藤沢修平は庶民を描いた」などと戯けたことを言っているが、そんなことでは司馬は語れない。

 もう、司馬のような作家は出ないだろうな。

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