本を読む日々2009⑩
くどいけど、ま、いいか。
アメリカ・ノースカロナイナといっても、日本人としてはイメージは不二家のキャンデーしかない。しかし、アメリカ人にとっては、「それなり」の何かがあるのだろうな。
ジョン・ハートの「川は静かに流れ」を読む。ノースカロナイナを舞台にしたミステリ。というか、ミステリらしからぬ構造をもったノベルなのだがね。
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 著者:ジョン・ハート |
主人公は殺人の濡れ衣を着せられたあげく、郷土を追われたアダム。親友の危機を救おうと数年ぶりに郷土に戻った彼の前で、新しい殺人事件が起きる。かつての恋人や自分を勘当した父親との再会の中、アダムはかつての事件の真相に迫っていく。
主人公の濃密な人間関係がくどい。文体もくどい。しかし、傑作だと思う。情景と人間心理を緻密に描いているから、物語そのものに奥行きが出ているのだ。ミステリ風純文学の趣さえある。お勧めだ。
⇒☆☆☆☆
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