本を読む日々2009⑤
「維新」ではなく
半藤一利の語り下ろしの歴史シリーズ。とどめは、最近出た「幕末史」である。「昭和史」は平凡社から出ていたが、こちらは新潮社に版元を変えた。
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幕末史 著者:半藤 一利 |
ひとつ、気付かされたのは「維新」という言葉は薩長側からの言い方であり、幕府からすれば「お瓦解」であるということ。永井荷風なんかは、作品中で実際にそのような言葉を使っているそうだ。
確かに、幕末とは、革命運動であった。しかし、その個々人は、公家に取り入りながら自らの立身出世を目指した連中がほとんどである。権力欲に目がくらんだ連中だ。
その中で、他を圧するほどの存在感を持ち、さらに独自の価値観、国の行く末を考えた人物は数えるほどだ。勝海舟、坂本竜馬、西郷隆盛、大久保利通。これらの人物もまた、歴史の妙で、いるべき時、いるべきところにいたのだ。
ペルリ来航から15年で幕府は瓦解した。あと15年後、日本はあるのか? 未曾有(みぞうゆう)の危機にあるんだろ、タローくん。
⇒☆☆☆★
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