書評2008◎67
ノッてる東野圭吾②
いま一つだった短編集に比べ、長編「聖女の救済」はよい。究極の犯罪トリックが披露される。そのトリックはガリレオいわく、「理論的には考えられても、現実的にはありえない。虚数解だ」である。
聖女の救済 著者:東野 圭吾 |
会社社長が自宅で毒殺される。離婚を切り出されていた妻が疑われるが、彼女には鉄壁のアリバイがある。事件当夜には実家のある札幌にいたのだ。
女刑事がアイポッドで福山雅治の音楽を聴くーなんて悪ふざけもあるけれども、かなりじっくり読ませる長編である。男と女が織りなす複雑な絵模様を、意欲的に描いているといえる。今年の<ミステリベスト>に登場するならこちらだろうな。
« 書評2008◎66 | トップページ | ディラン、のびのびと。 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント