書評2008◎55
古臭さは否めないが。
三遊亭円朝の「真景累ケ淵」をようやく読了する。ふ~っという感じだ。
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真景累ヶ淵 改版 (岩波文庫 緑 3-2) 著者:三遊亭 円朝 |
酒乱の旗本に殺された高利貸し。旗本の息子たちと高利貸しの娘たちが意外なところでめぐり合い、愛憎の果てに悲劇を繰り返す。
怪談話というより、因縁話だ。円朝自身も何度も、ご維新以降は怪談などというものは神経の働きにすぎないということになった、という趣旨のことを話している。「神経=真景」というわけだ。
しかし、読みづらい。まあ、落語の速記をまとめたものだからむりもないか。97章にもわかれているのだが、円朝が97晩も続けて語ったということか。因果が複雑に絡み合い、途中から人物関係がぐちゃぐちゃになって、何度も前を読み返す羽目になってしまった。円朝自身も、話していてわけがわからなくなったのではないか。
円生、歌丸のCDもある。あまりに長いので「豊志賀の死」まででやめているのが志ん朝だ。歌丸のを国立劇場小ホールで聴いたことがあるけど、つまらなかったな。
でもまあ、落語にしても今やあまり聞く気はしないな。現代性に乏しいというか。ひとつの古典としての存在価値しかないような気もするが、どうか。
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