最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« やっぱり、トバが好き | トップページ | 書評2008◎27 »

書評2008◎26

痛快無比。一挙通読確実。

 田中清玄という人をご存じだろうか。1906年、函館に生まれ、東大在学中に共産党に入党。書記長になって武装共産党を指揮するが、逮捕され入獄。転向したのち、戦後はフィクサーとして中東やインドネシアの石油がらみで暗躍したとされる。60年安保では全学連に資金供与。「右翼と左翼の結託」として話題を呼んだという。1993年没。

 

Book 田中清玄自伝 (ちくま文庫 た 56-1)

著者:田中 清玄,大須賀 瑞夫
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この清玄が自ら語り下ろす自伝なのだから面白くないわけはない。元本は93年に刊行。インタビューは91年から2年間にかけて行われている。

 清玄の記憶力にも驚かされるが、昭和史の裏水脈をたどっていくスリリングな展開が何より、面白い。自己正当化も、中にはあるだろう。しかし、それを割り引いても、痛快無比な自伝である。一挙に通読してしまった。

 「国を思う」とはどういうことか。何かしらのヒントを与えてくれるのである。

 と、いうことで☆☆☆☆。田中清玄は会津武士の末裔だが、生まれ育ったのは函館だ。函館も時々、大きなスケールの人物を輩出するものだ。

« やっぱり、トバが好き | トップページ | 書評2008◎27 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 書評2008◎26:

« やっぱり、トバが好き | トップページ | 書評2008◎27 »

2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31