スクリーン2008⑭
コメディーにあらず。
スガイシネプレックスにてチャーリー・ウィルソンズ・ウォー - goo 映画
を観る。予告編などでは、お気楽上院議員がソ連のアフガニスタン侵攻に義憤を覚え、武器供与などでゲリラを助けるようになるといった文脈で語れているようだ。バックにはドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」も流れているし。どこか「弱いものを助けるアメリカ的良心」を描いているようにも見える。しかし、違うなこれは。マイク・ニコルズ監督(「卒業}!)の深いペシミズムが含まれている映画ではないか?
結局、アメリカは莫大な軍事援助をしてアフガニスタンから共産主義者を追い出すことに成功したものの、それは「9・11」の起源ともなってしまったのだ。そして、チャーリー・ウィルソンの選択は、現在の混迷したイラク状況にまで連鎖しているのだ。何たる皮肉。
チャーリーがいなかったら、ソ連は崩壊しなかったか? 歴史における壮大な「IF」である。概して、歴史とはとんでもないやつがとんでもないところで起こした行動がファクターとなって、大きな流れをつくるものだが。
浅薄な映画にも思えるのだが、これは意外な深読みが可能である。ニコルズ監督のアメリカ批判である。
と、いうことで☆☆☆★。まあ、アメリカ批判だからどうしたというわけでもないのですがね。
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