書評2008⑰
かぎ握るのがハヤシライスっていったい・・・
東野圭吾の最新作「流星の絆」。面白いことは、面白いのだが、何というか、この作家も通俗性が増してきたなあ、と思う。
流星の絆 著者:東野 圭吾 |
<あらすじ>横須賀の洋食屋である夜、夫婦が惨殺される。残されたのは3人の兄妹。辛酸をなめながら成長した兄妹は、詐欺グループをつくって世間への復讐を図る。そして、事件から14年後、兄妹は両親を殺した「犯人」と出会うことになる。兄妹はある仕掛けを講じ、警察の目が「犯人」に向かうようにするのだが・・・。
繰り返すが、読ませるのだ。ぐいぐい、引っ張るのだ。キャラクターは立っているし、語り口はうまいのだ。だがなあ。事件のかぎを握るのが「ハヤシライス」だぜ。これ以上はネタバレになるから書かないけど。
まったく救いのないミステリよりは、読後感は良いのだが。「白夜行」のころの切実さはないな。
と、いうことで☆☆☆。平均点さね。それにしても、作家は難しいよ。上手くなることと、円熟することは別だもの。
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