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書評2008②

恐るべき新人。絶対お勧め <94点>

 桜木紫乃の「氷平線」。いやはや、凄いわ。

氷平線 Book 氷平線

著者:桜木 紫乃
販売元:文藝春秋
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 <あらすじ>6編の短編を収めている。どれも40ページに足りないものなのだが、それぞれの、人生を切り取って切なくも、胸に迫るのだ。十勝や釧路など、舞台は道東だ。そこ済んだことがなければわからないあの、圧迫感。そして生きていかなければならない人間たちの切迫感。苦しみ、という言葉だけには換言できない凄み。

 <能書き> 「官能小説」と呼ばれてしまうかも知れないが、これは、違う。 作家は、札幌近郊に住む主婦。かつて留萌方面にお住まいのころ、旭川のデスクだった私はコラム原稿を頼んでいたことがある。あのころ、こんな小説を書いていたんだな~。負けました。ホント、正直、面白く読ませてくれる小説です。北海道から、新しい作家が生まれる、このことは間違いないよ、本当に。

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コメント

道新さんに著者訪問インタビュー出てましたが、まあ語ることと書くことは違いますね。
今回の「氷平線」はとてもいい作品集であることは、明らかです。道東限定作家とか官能系というのは出版社のスタートダッシュのための理屈づけだろうと思います。講談社も北海道の作家を売り出すとき、北海道らしさを求めて書かせていましたから。
作家にとって核がなんなのかは簡単には言えませんが、吉本隆明風に言えば、「対幻想」が安定するのではなく、断層の上に構成されているのが現代であるわけで、その断層の歪みをとっても多彩に描き出しているのが桜木紫乃という可能性を秘めた女流となるのでしょうか。

双子山親方、たかおうど様、ありがとうございます。不器用とか頑固と言われながらも地道にこれしかできない自分と付き合ってきた6年間でした。こんなにお褒めいただき、大変恐縮しております。続けて良かったな、あきらめずにやってきて良かったなと、今はそんな気持ちでおります。
今後も今まで同様、地道に書いてゆこうと思っております。桜木節(と呼ばれるんです)を気に入っていただけた方に、喜んでいただけるようなもの、美味しく出来た実から、お届けしたいと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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