本を読む132
村上春樹を読み直す④
一気に「1973年のピンボール」を読む。うむむ・・・。とにかく、今読むと、「キザ」な小説だね。
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1973年のピンボール (講談社文庫) 著者:村上 春樹 |
このような作品が現れたことに対して、当時の文芸評論家たちはどのように戸惑ったのか、関心があるところだ。この作品の新しさは、それゆえに、評論家たちに毛嫌いされる要素を十二分にもっている。それは今の村上春樹の日本での評価にもつながるところがあるのではないか。蓮見重彦いわく「結婚詐欺」だもんなあ。
人工的なバックグラウンドやアメリカン・ハードボイルドの影響が顕著な気の利いたせりふなど、どれも新しいのだが、「嫌味」だ。昇華しきれていないように思う。
ただ、その後の村上春樹が追及することになる「邪悪なるもの」への追求は、すでにこの作品に萌芽が見られることを指摘しておこう。
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