本を読む115
痛快無比の自伝
「仁義なき戦い」にはまった関係で、シリーズの脚本を書いたシナリオ作家・笠原和夫(1927~2002)の著作を続けて読んでいる。これは笠原の自伝。まさに痛快無比。一気通読必至の面白さだ。
![]() |
![]() |
「妖しの民」と生まれきて (ちくま文庫) 著者:笠原 和夫 |
7人も妻を代えるほどの放蕩を繰り返す父親との葛藤、継母との確執なども生々しい。海軍に入り、しごかれた末に終戦に。その後、銀座の連れ込み宿で働きながら、米兵と売春婦たちの人間的な、あまりに人間的な行動に振り回される。
まさしく、そこには「昭和」がある。こういう生々しい経験が、脚本家の背景にあるということを知ると、映画を見る眼も、少し変わるような気がする。こういう経験があったからこそ、「仁義なき戦い」という映画が可能だったのだ、とも思う。
2004年の7月に文庫化されている。すでに本屋さんからは消えているかもしれないが、見つけたら、是非。本当にお勧めできる本です。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント