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本を読む114

時代の狂気の中で

 時代の転換期には、狂気の風が吹く。その風に抗うか、その風に背を押されるか。人の運命はそこで大きく変わる。幕末というのもそういう時代で、多くの生命が狂気に押し流されて消えていった。

 幕末の水戸藩に素材を得た本を続けて何冊か読んだ。徳川斉昭という強烈なカリスマと、彼が唱えた尊王攘夷思想から波及した破滅的な内紛が何とも痛々しい。水戸藩は時代の狂気の風をまともに受けてしまった。

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尊王攘夷は、原理主義だ。

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