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スクリーン2007④

独自の雰囲気の佳作

 「氷の微笑」で知られるポール・バーホーベン監督の最新作「ブラック・ブック」をスガイで見る。

 ヒロインはナチスに肉親を惨殺されたユダヤ人女性。オランダの抵抗組織に入り、身分を偽って、ナチス高官に接近。情報収集を図るも、やがて内部の裏切りにより、組織が瓦解していく。

 主演女優がかっこいい! ナチス将校に取り入るとき、黒髪をブロンドに染めるのだが、アンダーヘアも一生懸命に染めるのだよ。そこのヘンなエロチシズムがこの映画のヘンな雰囲気を代表しているように思う。

 反戦とか反ナチスじゃなくて、ちょっとヘンなファッショナブル感覚が映画全体を流れているのだ。そして、ストーリーテリングがものすごくうまく、一瞬もスクリーンから目が離せない。

 歴史的なことを言えば、敗戦直後のオランダでは、あれほどナチスに寛容だったのか疑問が残る。そして、オランダ人は戦争中、あれほど、ユダヤ人に寛容だったのか? ヨーロッパ的な複雑さを実感させるのである。

 そして、この映画は、「愛国」というもののもろさを語ってしまっているのだ。後半にかけてドライブしていくのだが、「勝者」のいやらしさをここまで描くことはなかなか、難しい。そして、その果てにあるものも、また。

 通俗的な映画だ。そしてそれは、通俗ゆえに成功している。わかったようなことを言ってしまえば、人生とは、究極的に通俗的なのだ。ブラックブック

☆88点⇔「かっこいい映画」。誤解招くかもしれないけど。

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