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本を読む78

マイクル・コナリーにはまる⑤

 ハリー・ボッシュシリーズ第5作。ハリウッド・ボウル近くの崖下に停められたロールス・ロイスのトランクから、映画プロデューサーの射殺死体が発見される。マフィアの手口で「トランク・ミュージック」と呼ばれる殺し方だという。被害者が生前最後に訪れたラスベガスに向かうボッシュ。そこで出会ったのは、シリーズ第1作「ナイトホークス」で出会い、別れた元FBI女性捜査官のエレノア・ウィッシュだった。

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 シリーズ5作目にして、ようやくボッシュはベトナム体験や母の死など、自らの過去と対峙することをやめる。しかし、「昔の女」エレノアが現れるから、依然としてない内省的・自省的な刑事であることは変わりがないのだが。

 この作品の魅力は、ボッシュが部下2人と地道な捜査を重ねながら意外な真犯人を追い込んでいくまでの過程や、FBIとLA市警との絡みあいだろう。警察小説として、読者を飽きさせない水準にある。

 ロサンゼルスは大変なところで、とにかくあの「ロドニー・キング事件」以来、LAPD(ロサンゼルス市警)死んでしまったとさえ言われているそうだ。スピード違反の黒人を制服警官がリンチしている映像がビデオ撮影されたのを覚えている人は多いだろう。結局、4人の警官が起訴されたが1992年4月、全員に無罪評決が下されると、激昂した黒人たちは暴動を引き起こした。暴動は5月まで続き、死者50数人、逮捕者1万人にまで至ったのである。

 このハリー・ボッシュのシリーズでも、たびたび、キング事件は言及される。人種間の緊張が極めて高い中で、黒人刑事2人を部下としてうまくつかいこなすボッシュが、なかなかなのである。

☆78点⇔犯人は途中でかなり割れるけどね。脇役たちが実に生き生きしている

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