本を読む59
外道小説。もしくは戸梶圭太の世界
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ドクター・ハンナ―死と踊る美人女医 著者:戸梶 圭太 |
戸梶圭太のリーダビリティは特筆すべきものがあると思う。「激安人間」たちを笑いも交えながら描き、最終的にはカタストロフィーに導いていくという、まあ、どこを切っても同じ展開にしかならない節はあるのだが・・・。それにしても、ぐいぐいと強引に引っ張るストーリーテリングは嫌いじゃない。
本作の主人公は美貌の女医・石月畔奈。難しい外科手術に性的興奮を抑えきれないという設定だ。彼女が医学会に隠然たる力を持つ内科医グループと対立することによって引き起こされる仁義なき戦いの物語。
医者の世界を描いているから当然、血みどろのグロテスク描写も出てきて、「よくやるなあ」と思わせる。一種の「外道小説」だ。だが、戸梶圭太、楽しみながら書いているな。文体が弾んでいるもの。これこそ、トカジ・ワールド。お好きな人には、十分、楽しめます。でも、登場するドクターたち、1人としてまともじゃない。小説だけの世界にしてほしいね、こんな医者たちは。
☆78点⇔あっという間に読ませてしまう。この力強さは認めざるを得ない
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