最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 本を読む53 | トップページ | またひとつ、隠れ家的な店 »

べらんめえ! ③

感動したぜ! 頑張れよ!!

 札幌市教育文化会館にて、立川談春、初の札幌独演会。よかったよ! 記念碑的な会になったのではなかろうか。
立川談春  談春、私とちょうど10歳違いの今年38歳。高校を中退して談志門下に入ったという。最近、東京周辺では、「古典では群を抜く」との評価著しく、是非に聞いてみたい噺家だった。

 期待は裏切られなかったと思う。前座抜きで、いきなり出てきて、「長短」を軽くこなしてから「夢金」へ。この噺、へたするとものすごく陰惨な話になってしまうのだが、それをぎりぎりのところで抑える技量が問われる。ぎりぎりの、合格点ではないかと思った。もともと、口調が暗いのだ。それは、いかんともしがたいところだと思った。だから、いろいろなくすぐりを入れないと、もたなくなってしまう。それが言葉数の多さにつながってしまうところがある。

 後半は、何のマクラもふらずに「芝浜」。「小三治じゃあるめえし」とも思ったが、よかったよ。主人公の職人らしい一徹さ、そのカミサンの愛らしさ、素晴らしく演じ分けていました。でも、音楽でいうところの音が多すぎる。つまり、説明してしまう言葉が多すぎる。

 その「多すぎる」贅肉を削って、削って、真の談春の芝浜が立ち上がることは間違いない。私は、不覚にも涙を流してしまったね。談春が演じるカミサンのかわいらしさと、落語をこれほどまでに愛している噺家が、これほどまでにむきになって、自分を表現しようとしているさまを目の当たりにして。

 よいものを聞かせてもらった。談春にとっても、今回の北海道独演会(昨日は室蘭でやったという)、確実に実になったのではないか。札幌の「芝浜」として語り継がれるものになったのではないか。20年後、さらに素晴らしい「芝浜」を聞かせて欲しい。それまで、生きていたい。そんなことを本気で願う夜であった。

 年末になれば「芝浜」をやれば済むわけじゃねえ。でも本当に、こういうことがあるから「ライブ」って凄いんだよな。痛感した。感動した。頑張れよ。応援するぜ。

« 本を読む53 | トップページ | またひとつ、隠れ家的な店 »

落語」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: べらんめえ! ③:

« 本を読む53 | トップページ | またひとつ、隠れ家的な店 »

2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31