最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« カニを食す | トップページ | 本を読む53 »

本を読む52

ちょっと辛くなってきたか?

 東野圭吾の最新作「使命と魂のリミット」を読了。最近の多作が響いてきたのか、いまひとつ生彩に欠ける感は否めない。

使命と魂のリミット Book 使命と魂のリミット

著者:東野 圭吾
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

優しかった父の死因に疑念を抱き、心臓外科医の道を選んだ若き研修医が主人公。しかし、彼女が勤務する大学病院に「医療ミスを公表しないと、病院を爆破する」という脅迫状が届く。病院側には、思い当たる節がまったくない。脅迫者の真の目的は?

 クライマックスの手術シーンや、はぐれ刑事・七尾のキャラクター造型など、そこは東野なのだから、読ませるところは十分に読ませる。しかし、だ。これまでの東野作品からすると、極めて薄味だ。

 東野作品の特徴はそのリーダービリティーだが、それは通俗性と紙一重だ。すべての通俗性が悪いことではないのだが、そこに寄りかかりすぎると、作品は劣化する。私見だが、東野作品は「容疑者X」から通俗化が著しいように思う。

 この作品は例えば2時間ドラマの原作のようだ。ドラマにすれば面白いだろうが、ファンが東野に求めているのはこの程度の作品ではないはずだ。そもそも、タイトルだって、もう少し考えたらどうだろうか? 「使命と魂のリミット」だよ。

☆69点⇔及第点はあげられない。東野、曲がり角に来ているのか?

« カニを食す | トップページ | 本を読む53 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

これ、週刊誌に連載してた作品ですね。
大体の内容は把握しましたが、何か物足りないというか、確かに薄味な感じがしました。
研修医の若い女性にも、共感できなかったなぁ。

>網さま
そう、週刊新潮連載作品です。
私、新聞とか、週刊誌連載中って読めないんですよね。
いつも、まとまってから買ってしまう。
上下2冊本も必ず、まとめて買ってしまう(さすがに北方謙三の「水滸伝」全19冊はまとめ買いはしませんでしたが)。
「次が読めなくなる」ことに対する恐怖心なのかなあ。

週刊誌や新聞の連載って、印刷してあるから読む、って感じです。
連載読んでて、手応えを感じたら、本になってから買うし。つまり試読?

月刊誌では、オール読物もたまに読むし、季刊誌のジャーロも好きで、この2年くらいは続けて買ってます。
面白そうな作家を物色してるんですが、自分好みのヒトには、そうそうぶつからないですね。

あ、ジャーロで見つけた柳広司は、結構好き。
「トーキョー・プリズン」は、買いました。

>網さま
「ジャーロ」今度みつけたら買ってみます。
オール読物は、昔の旅の友だったそうですね。
夜行列車が終着駅に着き、社内清掃をすると、読み終えたオール読物がいっぱい、網棚に乗せてあったそうです。
今は昔の、物語でしょうね。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 本を読む52:

« カニを食す | トップページ | 本を読む53 »

2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31