本を読む48
通俗的ミステリ
貫井徳郎の「空白の叫び 上・下」を読了。3人の15歳の少年をパラレルに描きながら、それぞれの心の軌跡と、犯してしまう殺人、さらにその後の「更正」と「破滅」を描く。
![]() |
![]() |
空白の叫び 上 著者:貫井 徳郎 |
などと紹介すると、少年法とか、少年たちの心の闇を描いた意欲作と思われがちだが、中身は通俗的なクライム・ノベルだ。極めてリーダビリティーに富む娯楽作であるといってよい。いや、これはある意味で誉め言葉なんだよ。肩肘張った、天童荒太みたいな小説は、ちょっと勘弁してもらいたいものナ。
この小説も、文章がなってない。少年の心理描写でも、とんでもない難しい言葉が使われたりしているのだが、この作家、文章・言葉に対する気配りが少なすぎるような気がする。そうでもないと、ここまで娯楽的な作品は書けないのかな。
「空白の叫び」でも何でもない結末だが、映画にするといいのでは。
☆78点⇔でも、読ませるよ、本当に。読み始めたら止まらない。それはひとつの魅力だ
« 土日も休みなし! | トップページ | 懐かしい店に行く »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント