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映画評、のようなもの⑨

心にしみてくる。傑作だ

 クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」を観る。

 いわゆる、「硫黄島2部作」の一つ。各誌の映画評などでも絶賛の嵐だが、果たして、大したものだというのが率直な感想だ。

苛烈な時代を生きなければならなかった日米の青年たちを思うと、背筋を伸ばさなければと痛感する。

 「父親たちのー」は硫黄島の戦いを米側から描いている。2部作のもうひとつ「硫黄島からの手紙」は日本側から描くということだ。批評は、両者を見比べてから、あらためて書くことにする。

 「父親たちのー」の原作となった「硫黄島の星条旗」(文春文庫)は必読=写真=。世界で最も有名な戦場写真となった擂鉢山に立つ星条旗をめぐる若者たちの悲劇が、実際に旗を掲げた兵士の息子の詳細な調査によって明らかになる。

硫黄島の星条旗

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