本を読む34
だめ。はずれ
本を選ぶときは、おもに、雑誌や新聞の書評などを参考にして買い求めるわけだが、時として「はずれ」に当たってしまうこともある。それもまた、読書のお勉強になるわけだが。
ジョナサン・キング「真夜中の青い彼方」は、確か、週刊現代の書評で関口苑生がほめていたのではなかったか。アメリカ探偵作家クラブの新人賞受賞作というのが売り。正統ハードボイルドというので、期待しながら読んでみた。
![]() |
![]() |
真夜中の青い彼方 著者:ジョナサン キング |
パトロール中に、少年を射殺してしまった元警官のフリーマンが主人公。自らも重傷を負ったフリーマンは警察を辞職し、今ではフロリダの大湿地帯・エヴァーグレイス国立公園で隠遁同様の生活を送っている。
ある夜、カヌーで川を下っていたフリーマンは幼児の遺体を発見。付近で連続している誘拐殺人事件の犠牲者の1人だった。地元警察はフリーマンに疑惑の目を向け、さらに真犯人もフリーマンを落としいれようと罠を張り巡らせる。自らの誇りを回復するために、立ち上がるフリーマンだが・・・。
そこそこ、読ませる。湿地帯の粘つくような空気をある程度、伝えることには成功しており、登場人物も魅力的だ。だが、致命的なのは、肝心の犯人像が弱いことだ。「最後まで読ませてこれかよ!」という突っ込みを入れたくなるミステリだ。幼児連続誘拐殺人という大罪を犯す必然性が、犯人にはまったくないから作り物めいた印象しか読後に残らない。残念だが、期待はずれの一冊だったようだ。
☆68点⇔出直してくれ
« ネクタイ問題① | トップページ | 旅に出ようか? »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント