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本を読む28

む、む、む・・・・・

 宮部みゆきの最新刊「名もなき毒」を読了。 

 北海道新聞などに連載された。私自身は連載小説というやつが読めないので、単行本化されるのを楽しみにしていた。しかし、3年ぶりの現代ミステリというが「ちょっと」という感じかな。

名もなき毒 Book 名もなき毒

著者:宮部 みゆき
販売元:幻冬舎
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 主人公は大手財閥企業の広報誌を編集している「杉村」。財閥オーナーの娘と結婚している。これは宮部の前作「誰か」と同じ主人公になる。この一見、「逆玉」に乗りながらも、飄々と、まじめに仕事をこなしていく主人公に、作家は日常=普通の人々を託しているのだろう。

 前作では自転車によるひき逃げという変わった事件にかかわってしまった杉村だが、今回かかわるのは、連続毒殺事件だ。コンビニで買い求めた飲料に青酸カリが仕込まれ、相次いで死人が出た。その被害者の老人の孫娘と知り合った杉村が、事件の真相に肉薄していく。

 宮部作品は、刊行されれば買っている。作家がわが母校・東京都立墨田川高校の後輩であるというシンパシーもあるのだが、何より、力ある、リーダビリティーに優れた才能を買うからである。

 だが最近、少々、疲れ気味ではないか?

 最近の傾向は「絶対悪」を登場させることだ。今回も、主人公の身近なところからこの悪が立ち現れてくる。

 絶対悪とは何か。かつての悪には、現れるだけの理由があった。貧困などの環境的・外的条件が悪を形成した。絶対悪は違う。根本的に、先天的に、存在したときからの悪なのだ。

 そのような悪を所有する人間がなぜ、出現してしまうのか。その気持ち悪さを描くことにはある程度、成功はしていると思うのだが、突っ込み不足の感も無きにしも非ずだ。ぐっと来る言葉などもあることはある。

 取材したことというか、調べたことをすぐに作品に反映させてしまうクセは抜けないようだ。ゆえに、素材がナマの感じがするのだ。

 タイトルにもある「毒」が、現代社会にどのように回ってしまっているのか。まだまだ、追求が足りないようだ。新聞連載というかたちが、切れ味を欠いている理由か。それなら、たっぷりと加筆・修正すればよかったのだ。

 やはり、物足りない。宮部みゆきの水準には至っていないように思う。残念だ。

☆72点⇔応援している。次回は「模倣犯」並みの超力作を期待したい

誰か Somebody Book 誰か Somebody

著者:宮部 みゆき
販売元:光文社
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コメント

「ミステリ」って感触も、「悪意」への踏み込み方も、今一つでしたね。
良くも悪くも、宮部さんだな、と思いました。

ところで、今日は、歌舞伎を観てきました。
吉右衛門さんの佐野次郎左衛門・福助の八つ橋で、「籠釣瓶花街酔醒」。
まだ、ブルー入ってます。

見事引越し終了。最後はパワープレーで終わらせました。それにしても、要らない書類が出てくる、出てくる。最も古いものは、昭和37年作成、全く保管する必要のない回覧文でした。かなり身軽になりましたよ。

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