本を読む22
コミカル・クライム・ストーリーの傑作だ
伊坂幸太郎の「陽気なギャングが地球を回す」です。「このミス」の2004年度版で6位入賞。その折に購入していたのですが、読むのを忘れていました。映画化され、近く公開の予定とか。
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陽気なギャングが地球を回す 著者:伊坂 幸太郎 |
伊坂のほかの作品ほど、「春樹」っぽくない。文体に妙な気取りがない。エンタティンメントと開き直って、全力投球している好作品だと思います。
嘘を見破る名人、スリの天才、演説の達人、完璧な体内時計と運転技術を持つ主婦。この4人組は完璧な銀行強盗をこなしていくのだが、ある日、仕事帰りに、逃走中の現金輸送車強盗犯と遭遇。車と、奪った金を巻き上げられてしまう。奪還に動き出すグループの前に現れたのは真新しい死体。さらには、「いじめ」問題にも直面する。
本当に、小気味良い小説です。低予算の、それでもセンスの良い監督ゆえにピシッとしまった映画のイメージですね。謎解き、ミステリ的には、この作家のほかの作品と同様に、たいしたことはありません。でも、キャラクターが立っている。いいですねえ、こんな小じゃれたミステリを日本人作家が書けるようになったというこ自体ががうれしいですね。
☆86点⇔甘いかな? でも、面白いよ。本当に
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コメント
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ソ連の船が日本漁船を撃った。
駐日臨時大使代理に抗議した。臨時大使代理って何だ?役職名が「おりゃ、知らねえ」って表してる。
外務省は抗議するなら延々と60時間くらい抗議し続ければいい。奴、とっとと帰ってたじゃねえか。
アホか。
ロシアはソ連で、どうせ共産主義だろ。
投稿: づかこ | 2006年8月17日 (木) 07時04分
>づかこさま
確かにすごい役職名だな。「部長代理心得補佐」みたいな。
ロシアは「資本の原始的蓄積」過程を経ずして1917革命を経験してしまったので資本主義の何たるやが分からずに迷走している(中華人民帝国もそうだけど。あの国でまだ中国共産党が幅を利かせていることがすごいよな)。
略奪資本主義、泥棒資本主義とでもいうべき、変型資本主義群だ。マックス・ウェーバー的な資本主義とは正反対のもののようだね。
投稿: 双子山親方 | 2006年8月17日 (木) 09時57分