本を読む26
発想的にはよくあるが
いわゆる、タイムスリップもの。現代のフリーター青年が、太平洋戦争さなかの軍国青年とそのまま入れ替わってしまうという趣向だ。
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僕たちの戦争 著者:荻原 浩 |
「入れ替わる」というのが少々、目新しいのかもしれない。フリーター青年が軍隊生活を、どうやってしのいでいくかという視点の片方で、ガチガチの軍国青年が、物欲あふれる21世紀をどう見るかという視点が用意されているからだ。
著者は双方の時代の人物に恋人というか、憧れの、大事にすべき女性を設定している。これが物語をわかりやすくしていると同時に、内容的に薄くしているような気もするのだが。
軽く書いているのか、意識的に重い物語にしようとしているのか、著者の意図がよくわからない部分がある。少なくとも「ウィンズ・オブ・ゴッド」のような肩に力が入った作品ではない(良くも悪くも)。
9月にテレビドラマ化されてTBS系から放映されるそうだ。極論だが、映像化されてしまう小説は、すべて駄目だ。わかりやすさ、というのは、ある意味駄目なことなのだ。
☆75点⇔意欲、空回り
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