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本を読む⑭

ゴーストライター大活躍

 ミステリの妙ってさ、主人公の職業の意外さにもあるわけだよ。まあ、それが極端までいっちゃうと、火曜サスペンスの「湯煙旅館探偵女将」まで行っちゃうけどさ。

 デイヴィッド・ハンドラーはこのブログで2回目の紹介になる。過日、紹介した「ブルー・ブラッド」の主人公は映画評論家。このシリーズはゴーストライターが主人公だ。その選択はなかなか、面白い。

殺人小説家 Book 殺人小説家

著者:デイヴィッド ハンドラー
販売元:講談社
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 主人公ホーグ(ホーギー)は、アメリカ文壇の有名な新人賞を受けながらも、第2作が書けず、酒におぼれてしまい、前途有望な女優だった妻とも離婚。バッセルハウンドの雌犬ルルと暮らす中年男。だが、その文才を見込んで、かつて、栄光という種類の光を浴びた輩から自伝などのゴーストライターとしてのオファーが舞い込む。本作はこの「ホーギーシリーズ」の8作目。最終作らしい。

 ホーギーの元に、あて先人不明の小説が届く。男がNYをさまよい、女を殺すというストーリーだ。その後、実際にその小説と「同じ」筋書きの殺人事件が起きる。そして、第2、第3の事件が起きる。

 何となく、どこかで聞いたことがある筋書きだ。新味はないよね。謎解きも「ああ、そう」って感じでさ。もういいとも思ったんだけども、何となく、後を引くんだよ。登場人物、脇役のキャラクターが立っているんだよな。

 だから登場人物の過去を知るべく、シリーズを遡ってみようとしたら、絶版だよ! いいのか、講談社。ようやく、古本屋インターネットで第1作「笑いながら死んだ男」、第4作「猫と針金」を購入して読みました。いけますよ。ただ、 この作家もよくしゃべる作家でさ。本当に饒舌。そして、登場人物の中に実在する人物も織り交ぜているため、何となく、どこまで本当だかわからなくなってくる。虚実の皮膜があいまいになってくる。そこが、作者の狙いなんだろうけど。

 だからシリーズが8作あって、まだ3作しか読んでないわけだ。私としては一番いやなパターンでさ。全部読みたいんだよな。でも、シリーズものを中途半端なものとしてしまう、今の出版体制が良くないんだろうね、一番。

☆76点⇔全体としてB級ミステリ。でも、ハマルんだよ。

  

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