ビートルズは何も教えてくれはしない②

「悲しませないでくれ」といわれても

　「ドント・レット・ミー・ダウン」という曲がある。訳せば「悲しませないで」とか、「そんなこと、言うなよ」とか「落ち込ませないでくれよ」ということになるのだろう。ジョン・レノンが絶唱している。だから、おのずと話は「ヨーコ」になってしまうのだが、名曲は名曲だ。私はジョン・レノンの最高傑作ラブソングだと思う。恋するって、こういうことだもんな。悲しくてしょうがないことだもんな。

　映画「レット・イット・ビー」の中のハイライト、通称ルーフトップコンサートでも演奏されたのに、なぜか、１９７０年版「レット・イット・ビー」には収録されなかったのに、２００３年にリリースされた「レット・イット・ビー　ネイキッド」にはこの曲が収録されている。

　この 「レット・イット・ビー」では、最大限にたわんだビートルズを聴く愉しみを味わうべきだ。ロックが好きで、ギターを弾くことが好きで、「こんな曲ができたぜ」って自慢するポールやジョンの、忘れていたうたごころを感じるべきアルバムなのだと思う。

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